緑茶と紅茶とウーロン茶~茶葉の種類は全部同じ?麦茶も?

スーパーやコンビニの棚にはたくさんの種類のお茶が並んでいますが、実は全部同じ葉っぱから作られているって知ってましたか?
緑茶」も「ほうじ茶」も「紅茶」も「ウーロン茶」も基本的にはお茶は、ツバキ科の常緑樹である”チャの葉”を加工して作られます。
その加工方法の違いによって、「緑茶」、「ほうじ茶」、「紅茶」、「ウーロン茶」など、どんなお茶になるかが決まるんです。
ではいったい、どんな方法で加工しているんでしょうか?
違いが分かれば普段飲んでいるお茶や紅茶も、いつもより楽しく飲めるかもしれませんね。

チャの葉の加工方法

先ほどご紹介した通り、チャの葉の加工方法によって緑茶や紅茶、ウーロン茶になるわけですが、チャの葉を摘んだ後の加工方法を詳しく見ていきましょう。

緑茶の加工方法

加工の工程は大きく分けて3つです。
1.蒸す(熱を通す)・・・葉っぱを摘むと、すぐに葉の発酵が始まります。熱を入れることで発酵をストップさせてしまいます。
2.揉む・・・葉を柔らかくすると同時に、内部の水分を飛ばします。
3.乾かす・・・水分量が5%以下程度になるまで乾かすことで、長期保存が効くようになります。

ウーロン茶の加工方法

加工工程は大きく分けて4つ(緑茶は3つだけでしたね)。
発酵させる・・・完全な発酵ではなく、少しだけ発酵(半発酵)させる。
1.蒸す
2.揉む
3.乾かす
緑茶とウーロン茶の違いは「発酵させるか、発酵しないか」です。
発酵させることで、緑茶とは違う茶色っぽい色が付くんですね。

紅茶の加工方法

加工方法は大きく分けて4つ(緑茶は3つ、ウーロン茶も4つでした)です。

  1. 発酵させる・・・ウーロン茶のように”半発酵”ではなく、”完全発酵”させます。湿度の高い環境で発酵を更に促します。
  2. 蒸す
  3. 揉む
  4. 乾かす

簡単に言ってしまえば、”発酵あり“か”発酵なし“か。
または”ちょっとだけ発酵(半発酵)“か”すごく発酵させる(完全発酵)“か。
この違いだけなんです!

静岡の茶葉で紅茶は作れるか?

作れます!
もちろん茶葉の品質や加工技術によって、味の違いは出ますが、静岡の茶畑で摘んだ茶葉でも紅茶やウーロン茶は作れるんですよ!
同じ理屈で、紅茶の産地であるインドやスリランカで摘んだ茶葉から、緑茶やウーロン茶も作れるんです。
不思議な感じですね。

緑茶の種類

ここまでは緑茶全体の加工方法をご説明してきましたが、ひとくちに”緑茶”と言っても、種類がたくさんあります。
代表的な緑茶の種類を一覧で詳しく見ていきましょう。

お茶の種類 説明
煎茶 一般的な緑茶のことで、チャ葉の新芽を揉みながら乾燥させたもの。
深蒸し煎茶 煎茶の蒸し工程を強くしたもの。
玉露 高級なお茶です。直射日光を避けた茶葉を使っていますが、製法は煎茶と同じ。
かぶせ茶 玉露に次ぐ高いお茶。製法は煎茶と同じですが、藁などをかぶせて育てた茶葉を使用。
抹茶 新芽の茶葉を蒸して、揉まずに乾燥させた葉を石臼などで砕いたお茶。
番茶 硬くなった新芽や茎を使って、煎茶と同じ製法で作ったお茶。
煎じ茶・ほうじ茶 番茶や煎茶を強火で炒ったお茶。香ばしい香りがします。
玄米茶 番茶・煎茶に炒った玄米を混ぜたお茶。

ペットボトルでも色んな種類がありますが、緑茶の種類を知っておくと、お茶を選ぶのも楽しくなりそう!

お菓子に合うお茶の種類

おやつにお饅頭やお団子、お煎餅を食べる時、どんなお茶がマッチするのでしょうか?
お饅頭」や「ようかん」、「どらやき」といった生菓子には緑茶がベスト!
口の中にあんこの甘さが残ってしまうので、渋みのある緑茶で口の中をさっぱりとさせます。
特に甘さが濃厚な和菓子の場合は、「深煎り」の濃く渋みのあるお茶がぴったりです!
もちろん「抹茶のロールケーキ」といった和菓子と洋菓子の中間のようなスイーツにも、緑茶が合いますよ。

また、「おせんべい」や「かりんとう」、「サブレ」などの乾いたお菓子でついついたくさん食べてしまうようなおやつだと、ほうじ茶や煎じ茶がおすすめです。
お茶の香ばしさが乾いたお菓子にぴったりなのですが、お茶とお菓子の相性がとてもよいので、ついつい食べ過ぎてしまうのがネックです^^;
お菓子の種類によってお茶も淹れ分けると、お茶もお菓子もいつもよりおいしく召し上げれます!
ちなみに私はコンビニで売ってるみたらし団子と煎茶の組み合わせは最高のコラボだと思っています。
なんぼでも食べられるくらいウマイ!

麦茶の加工方法

麦茶は名前の通り、チャ葉を一切使っていません
だから緑茶やほうじ茶には含まれるカフェインが麦茶には入っておらず、妊婦さんが良く飲むんですね。
麦茶原料は大麦で、作り方はとても簡単!
1.洗う
2.乾かす
3.炒る
4.水出しで飲む
これだけなんです!
自宅で麦の状態から簡単に作れるので、”麦茶用の麦”だけでも売ってますよ。

紅茶の産地と茶葉の種類

“アールグレイ”とか”ダージリン”。
名前くらいは聞いたことあるけど違いはよく知らない、という方がほとんどじゃないでしょうか?
紅茶の産地と茶葉の種類について、詳しく見ていきましょう。

スリランカ(セイロン)

スリランカはインドの東側に浮かぶ島国ですが、スリランカの島を「セイロン島」と呼ぶことから、スリランカの紅茶を総称して”セイロンティー”と呼びます。
ウバ・・・世界三大紅茶の一つ。セイロン南東部が産地で、アイスティーにピッタリ。

インド

ダージリン・・・こちらも世界三大紅茶の一つ。紅茶の中では”ブランディング”されています。
アッサム・・・同じインドの中でも標高の低い位置で栽培され、ミルクティーに最適な品種です。

中国

「中国で紅茶?」「ウーロン茶だけじゃないの?」と意外に思う方も多いでしょう。

キーマン・・・こちらも実は世界三大紅茶の一つです。日本ではあまり馴染みのない名前ですが、独特の香りが楽しめる高級品です。偽物が多く出回っていて、なかなか本物は飲めないようですよ。

その他

アールグレイ・・・よく聞く名前ですが、実は茶葉の種類や産地ではないんです。”セイロン紅茶”などにベルガモット香料を混ぜた、”フレイバーティー“に分類されています。

特に柑橘系のお菓子によく合うとされています。


いかがでしたでしょうか?

まさか緑茶も紅茶もウーロン茶も、同じ茶葉から出来るとは思わなかったのではないでしょうか?

ひとくちに”緑茶”、”紅茶”といっても種類がすごく多いですね。

スーパーやコンビニで茶葉を選ぶ時の目安になって楽しめると思いますよ!

また、ファミレスのドリンクバーで「どのお茶・紅茶にしようか?」と迷うことも無くなると思います^^

知って楽しいお茶の世界、奥深いお茶の世界をぜひ楽しんでください!